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  • 加藤智津子 | Chizuko Kato

Empreinte de chameau🐪ラクダの足あと

最終更新: 2月27日

🌙砂漠(Sahara)と砂漠の国、モーリタニアのお話🌙

その6 「サハラの目」:ゲルブ・エル・リシャット (Guelb er Richat) - ②


2度めの「サハラの目」ゲルブ・リシャットへ向かったのは冬の日。

モーリタニアの中央部に位置するアドラル州は山地を有し、急峻な断崖が砂漠を南北に

二分している。

州都アタールから東のゲルブリシャットまでのびるアドラルの山(シンゲッティ台地)で、

南側はワラン砂丘、北側はマクティール砂丘。

普通、世界遺産のシンゲッティ、ワダンへの観光は道路のある南側ルートを使う。

一方、北側ルートはピストで集落もない。野宿になるが、さまざまな砂漠があり、お気に入りの

アカシアがあり、親しいノマド(遊牧民)家族のハイマ(テント)を訪ねる楽しみもある。

そうして、たどり着くのが「サハラの目」の上瞼の部分にあたるエル・ベイヤード(El Beyyed)。

山々や砂丘に囲まれ、地下水が湧くことから、季節によって移動してくるノマド(遊牧民)の

住む集落になっている。

そんなオアシスゆえ、エル・ベイヤードには前期旧石器時代(Acheuléen文化)と新石器時代が

存在した。

エル・ベイヤードから、ゲルブ・リシャットへはタザズ(Tazaz)山を超えることになるが、

厄介な坂道がある。大きな石を左右に退けた車の幅だけの坂道で、石がタイヤの動きとともに

ガラガラと音をたてて動き、四駆車の底には尖った石がガンガン当たる。

石の転がるプラトーに出、さらに走り続けるとゲルブ・リシャットを見下ろす崖淵に着く。

同心円状と思われるいくつもの残丘が霞んで見えた。

そんな低い山の脇を走り、ようやく中心部に到着した。

しかし、オーベルジュは無人で、何年も使われていないようだった。


それでも、10年ぶりにサハラの目の真ん中の山に登ることにした。

以前よりも砂が積もっていたので、石の上に足をかけて登った。1度めのときには気づかなかった

さまざまな石が見られた。

そして、頂上からは黒っぽい山が幾重にも続き、遠くは果てしなく霞む。

全景を写真に収めるにはあまりにも広大だ。


そのうち、ふもとからドライバーが私を呼んだ。

そう、この静寂はなんだろう、あまりにも静かすぎる。

見渡す限り、ラクダもヤギも、飛ぶ鳥すらもいない。生き物の存在が感じられないのだ。

この広い空間にふたりの人間しかいない。


早々に退散することにし、砂砂漠を経てウアダンへ向かった。


Photo: モーリタニア アドラル州

      Tazaz Mont (タザズ山).から「ゲルブ・リシャット」、「サハラの目」を見下ろす

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© Chizuko Kato