Empreinte de chameau🐪ラクダの足あと
🌴モーリタニア🌙 砂漠を旅する🌴 No.15 🐪加藤智津子
砂漠を走る、世界で一番長く、重い列車!④
砂漠の人たちは、目(視力)がいい。
夕方、砂漠で食事をしているとき、ドライバーがナツメヤシの茂るずっとずっと先を指して「ルミエールが、、」と言う。
誰かががこっちに向かって来ているようだと。
「光?どこ?」、私には何も見えない。
それから、30分後、ふたりの女性がぼんやりと光を灯した懐中電灯を持って現れた。
(何と!闇のなか、お土産を売りに来たノマドの女性でした:笑)
彼らは目だけでなく、耳もいい。
モーリタニア鉄道の沿線を走っていると、これまた突然、ドライバーは「列車が近づいている」と言う。
車を止めて、ドライバーと私は線路近くにかけより、待機する。
ようやく私にも列車の音が聞こえてきた。
まもなく、爆音が響きわたり、長い列車を牽引する水色の先頭車が見え始めた。
ズエラット(Zouérat)からシューム(Choûm )、ヌアディブ(Nouâdhibou )へ向かう列車だ。
Photo:モーリタニア アドラール州 モーリタニア鉄道
3両のディーゼル機関車で約200車両(総重量、最大17,000トン)を牽引する
私たちは近づいてきた列車に向かって、思いっきり手を振る。
汽笛が大きく鳴って答える。
運転手が窓を開けて、にこやかな顔で手を振ってくれるときもある。
牽引車の後ろに自動車輸送用のフラットカーが連結されていれば、車に乗った人も窓から顔を出し、手を振る。
この時間がなんとも楽しい。
その後ろに、水タンク車が続き、鉄鉱石を積荷したホッパ車(貨物車)が続く。
ガシャ、ガシャ、キャキーン、キャキーン、ガラスの割れるような(?)独特の金属音が響く。
とにかく、列車は長い。
それでも、水色の客用車両を最後に、列車は遠ざかっていく。
砂漠の旅で、一度はこの列車を見ないと寂しい。
(つづく)
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