Empreinte de chameau🐪ラクダの足あと

🌴モーリタニア🌙 砂漠を旅する🌴 No.22

③ アフリカで一番大きなサハラのモノリス・ベナミラと、アーイシャと花崗岩


ベナミラはゲルブ(モノリス)の名前だが、その辺りの集落もベナミラ(Village Ben Amira) と呼ぶ。

ベナミラには鉄鉱石を運搬するモーリタニア鉄道が通過するが、単線の鉄道を交差させるためのバイパスになっている。

分岐器があるから停車場というのが正しいかもしれないが、ベナミラ駅がなじみやすい。

ここには給水列車も、観光列車も停まる。

そんなベナミラ駅の2キロ北に、地球の中心から砂漠に出てきたようなゲルブ(モノリス)・ベナミラが見える。

大きさではベナミラにはかなわないが、別れた妻、アーイシャの存在は大きい。

Photo:「Sculptures an 2000」の一部 背後はアーイシャ(Aïsha)


ゲルブ(モノリス)・ベナミラの5キロ北に元妻、アーイシャのモノリスがある。

多分、その右側(東側)が召使のモノリスと思われる。低いが底面積は広い。


この2つのモノリスの間にあるのが「Sculptures an 2000」(2000年彫刻)というオープンミュージアム。


1999年、観光会社 Point-Afrique とSNIM(*1)の協力のもと、ブルキナファソの彫刻家、カイ・シリキが発起人となり、国籍の異なるアーティストたちが参加する国際彫刻シンポジウムを開催した。

それをきっかけに、ミレニアム(2000年)を祝って、モーリタニア、ブルキナファソ、コートジボワール、イタリア、ベルギー、フランス、カナダ、アメリカ、アルメニア、カザフスタン、中国、、、、16名のアーティストがアーイシャのモノリスの麓で、オリジナル作品を制作することになった。

伝説と壮大な風景からインスピレーションを得て、「世界の平和」をテーマに、アーイシャから剥がれた花崗岩のブロックに彫刻を施した。

花崗岩は硬い(*2)ゆえ、取り扱うのも大変だ。

時に抵抗し、時に屈服する花崗岩。

アイルランド人のDerek A. Fitzsimons は美しい女性を選ぶように、これから付き合う石を選び、石との対話をしながら作品制作に取り組んだという。

ポーランドの彫刻家Barbara Falenderは「花崗岩は私を魅了してやまない。花崗岩から剥がれた破片も含め、すべてが好き」と語り、さらに、地上に落ちても輝き続ける花崗岩を"地上の星"と呼ぶ。


花崗岩は火成岩の一種で、地下深部でゆっくり形成された深成岩であり、主要構成鉱物は石英、長石、雲母等が含まれる。

現在の地球の表面は、約7割の海洋と約3割の大陸で覆われ、大陸の表層部は主に花崗岩で構成されている。

かつて、浅海のところどころに突き出た黒い玄武岩でできた円錐形の火山だけだった地球を、花崗岩の出現は大きく変えた。花崗岩が大陸の礎石となった。


モーリタニアは、花崗岩の露出した台地が多い。

5億5千万年前、アフリカ大陸が南半球にあった巨大なゴンドワナ大陸(*3)の一部だったころの独特の花崗岩も存在する。

歩くと、土や砂とは違った独特の感触があるが、鋭利な花崗岩の先端が地中から突き出ていることもある。小さな塊とはいえ、尖っていてつまずくと怖い。

そんな台地には、とてつもなく長い間かけて侵食された花崗岩の巨石群が、まるで彫刻のように点在している。

硬い部分が残り、さらに、飛んできた砂によって磨かれた自然の作品だ。


アイーシャの麓に集まってきた彫刻家たちがそれぞれ花崗岩と対峙し、創りあげた作品群、周辺を散策しながら、見るのもオススメです。

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(*1) SNIM Société Nationale Industrielle et Minière モーリタニア鉄鉱公団

(*2) 硬い モース硬度 6〜7(ダイヤモンドが10)

(*3) ゴンドワナ大陸 現在のアフリカ、南米、インド、オーストラリア、南極から構成されていた大陸。当時(5億5千万年前)の南極点あたりにサハラ砂漠があったと考えられている。

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