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河野 和典 氏
加藤 智津子 写真 評
「石」は砂漠にあって、どんと、存在感を示している。
そのシンプルな大きさ、形からはそれぞれが個性を発揮し、見るものに想像力を与えてくれる。
モノクロームプリントは見るものの想像力をいっそう深く、そして多くのイマジネーションを与えてくれる。
「小屋」の建築としての面白さもさることながら、ブリキ板?トタン板?ドラムカン?をたたいて引き伸ばしたような板に塗られたペンキの色彩感覚がとても美しい。チャーミングでありユーモラスでもある。
それがアフリカの澄みきった空気の中でひときわ輝いている。
「シリア」──日本人にはとても遠い国である。その街の古いたたずまいも魅力的であるが、
何より引かれるのは、街の光と影の中で、ほのかに示される独特なその色彩である。
これら3部作は、いずれも日本人にとってはもとより、多くの人にとって、写真を通しての発見であり、
新鮮この上ない。
元「日本カメラ」編集長
河野和典 KOHNO Kazunori
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