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  • 加藤智津子 | Chizuko Kato

Empreinte de chameau🐪らくだの足あと

最終更新: 2月9日

🌙 砂漠(Sahara)と砂漠の国、モーリタニアのお話 🌙

  その4 砂漠の愛すべき生きもの : ゴミムシダマシ

 

 満月の砂漠は明るい。

 テントのなかにいても明るい。

 歩くにも、懐中電灯が不要なほど明るい。


 満月の夜には

 砂に影をおとす独特な樹形のアカシアや朽ちた古木等、色をおさえた幻想的な世界が広がる。

 そんな世界を描く画家になれたなら、、、と、いつも思う。


 夜の砂漠は生きものの動く音も息遣いも、砂が吸収してしまうかのよう。

 ただ、翌朝、風紋の上に痕跡が残る。

 砂漠でハリネズミの歩く姿を見つけると、連れて帰りたくなるほどかわいい。

 膝にのってくるトビネズミはもっと健気でかわいいが、食物連鎖で、天敵、蛇が近くに

いるかもしれない。

 フェネックは遠くで声はするけれど、用心深く、人の気配のするところには簡単には近づかない。

 ノマド(遊牧民)の家畜(ヤギやヒツジ)を狙ってくるシャッカル(chacal)は いつも犬に

追い払われている。


 満月の夜、光のあるところにすぐにやってくるのはゴミムシダマシ、テネブリオン(Ténébrion)

 残した食べ物、お茶ガラに寄ってきて、元気に動き回り、交尾までする。

 モーリタニアでは種類も多く、スカラベよりポピュラーな砂漠の住民。

 甲羅にたまった朝露、ときに花びらを食べて水分をとっている姿も見かける。

 砂漠の乾燥した環境に適応し、日中の暑いときには砂にもぐる。


 さらに、寒さにも強く、マイナスの低温下では仮死状態で耐える。

 過去、生還しない個体があり、それらの個体を標本にしたところ、間もなく、そこからハエが

飛び立った。死因はゴミムシダマシの体内で成長したハエだった。

 ゴミムシダマシは産卵後3日で孵化し、幼虫、さなぎで約1ヶ月過ごす。そして、寿命は半年と短い。


 フェネックもハリネズミも屋内飼いでの寿命は長いが、過酷な環境や外敵の多い砂漠では

そう長い命ではない。


 どんな生きものでもいい、砂漠に生きる生きものたちのために、いつもアカシアの根元に食事の残りを置く。


Photo: モーリタニア アドラル州 シンゲッティ

      デンドライトの上のゴミムシダマシ  

       デンドライト(Dendrite)

          堆積岩の岩石の割れ目(節理)へ二酸化マンガンしみこみ、シダ状の模様がつくられた石

          日本では「しのぶ石」とも言われる

           ノマド(遊牧民)のテントの脇に無造作に積まれている     

       ゴミムシダマシ(Ténébrion)

         Pamela ascendens:

         甲虫目Coleoptera)、 ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)の1種        


     *日本でもサハラのゴミムシダマシが見られたこともありました

       https://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=6453

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© Chizuko Kato