Empreinte de chameau🐪ラクダの足あと

🌴モーリタニア🌙 砂漠を旅する🌴 No.9

砂漠の雨 - ①


砂漠は、雨がほとんど降らない。

けれど、時々、思いがけなく大雨が降ることもある。

2020年9月、モーリタニア南部に大雨が降った。

首都、ヌアクショットの街路も市場も、水であふれ、ニュースになった。

Photo: モーリタニア アドラール州  数日前に降った雨

普段は礫(レキ)砂漠 10日後には 20羽ほどの大きな鳥が飛来していた


砂漠にコップの水を注ぐと、熱したフライパンの上の水滴のように、一瞬にして吸い込まれ、消える。

それが大量の雨だったら、、、、、


砂漠の「砂」 は、「土」とは違う。

土は砕けた岩石が粗い粉状になったもので、腐食物、微生物等が含まれ、保水力があり、耕作に適する。

一方、「砂」 は主に石英等の岩石が細かく砕けた粒で、保水力はなく、植物は育ちにくい。

日本入国の際、土の付着したものは没収されるが、「砂」は微生物を含んでいないから持ち込みは可能と言われたことがある。


砂漠に雨が降ると、砂の色が濃い色に変わり、気温が下がり、砂の匂いがたちこめる。

砂嵐の始まりと、同じようなことが起きる。

歩くと砂がカサカサ音をたて、足元から空気が湿り気を帯びてくるように感じる。

このとき、常に乾燥している砂はギュッと締まる。水を漏らさない器(うつわ)のように。

更に、雨が降り続けると、四方から集まった大量の雨水は一気に地表を流れ始め、低い部分へと集中する。

窪地は池になり、ワジと呼ぶ「涸れ川」へも水は走る。

いわゆる鉄砲水で、一瞬にして水嵩は増し、波打つ川にまでなる。

2020年9月、モーリタニア南部、ネマでは、75ミリの雨を記録した集中豪雨が洪水を引き起こし、

急流に流された25歳の女性が溺れて亡くなった。


砂漠の古都、シンゲッティに、新市街と旧市街を隔てている涸れ川(ワジ)がある。

ふだんは道として機能しているが、歩くのにも疲れるほど砂が深い。

もちろん、走行は4WD車だが、場所によってはスタックするため簡単には止められない。

モーリタニアでは毎年、世界遺産(*)の町でフェスティバルが順次開催されているが、シンゲッティはその涸れ川が会場になり、たくさんのテントが張られ、国内各地の物産が披露され賑わう。

また、有名な歌い手やグリオのコンサートもあり、国内中から多くの人々が集まる。

とりわけ、涸れ川を走るラクダレースは有名で、ラクダが一斉に競うのは壮観だ。

その両側を、見学の車がラクダを追って走るくらい広く、長い。


そんなシンゲッティの涸れ川も、大雨が降ると大洪水が起こり、一瞬にして川になる。

やはり、激流から逃げ遅れた4WD車が50メートルほど流されたこともあった。


しかし、本当は、砂漠の雨は歓迎される。

極端でなければ。



(*)モーリタニアの4つの世界遺産

シンゲッティ、ウアダン、ティシット、ウアラタ

オアシスに栄えた伝統的村落で、サハラ交易で栄えたイスラーム文化の中心地

図書館があり、多くの写本が保管されている

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