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Empreinte de chameau🐪ラクダの足あと

🌴モーリタニア🌙砂漠を旅する🌴 No.32   🐪 加藤智津子

地質遺産100選に!「リシャット構造」=「サハラの目」の「ゲルブ・リシャット」


国際地質科学連合(IUGS:International Union of Geological Sciences)はモーリタニアの「ゲルブ・リシャット/Guelb er Richat」(*1)を、「Richat Structure/リシャット構造」の名称で「THE FIRST 100 IUGS GEOLOGICAL HERITAGE SITES /地質遺産最初の100選」に選定した。

国際地質科学連合は地質の分野における国際協力を目的に1961年に設立された非政府科学機関(非政府組織)で、世界的に重要度の高い地質学の課題にかかる研究を奨励、促進し、地球科学における国際的かつ学際的な連携をサポートする組織。

現在、世界121カ国の100万人を超す地球科学者が参加する世界最大の組織になっている。

地球史年表ともいえるINTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART(国際年代層序表) は、国際地質科学連合の国際層序委員会(ICS)で公開している。

以前は、地球の始まりの冥王代は46億年だったが、最新版では45億6千700万年と定義された(2020年10月)。

また、地質年代名称に日本の地名が初めて採用された「チバニアン:」(*2)は話題にもなった(2020年1月)。






























Photo:モーリタニア ティリス・ゼムール州 エデルグ

ゲルブ・リシャットの北側、大砂丘のなかのエデルグ山 砂丘の南側はアドラール州


2022年10月、国際地質科学連合は設立60周年記念として、地球科学の研究にとって、また地球とその歴史を理解するうえでも重要な地質学サイト「地質遺産100選」を選定した。

「リシャット構造」は、カテゴリー4「IGNEOUS AND METAMORPHIC PETROLOGY(日本語表記:火成および変性作用の岩石学)のなか、

「Richat Structure, a Cretaceous Alkaline Complex (日本語表記:リシャット構造、白亜紀のアルカリ岩体)として記載された。

 

「リシャット構造」の環状構造の起源について、長い間、科学的な議論をよんできた。

衝突クレーターの可能性があると考えられたこともあったが、現在では巨大火山活動から引き起こされたことが分かっている。約9900万年前の白亜紀の時代に、カンブリア紀の固い岩石をマグマが押し上げ、ドームが形成され、その後、浸食、崩壊が起こり、今日のような環状構造が生まれた。

それは世界でも最も壮観な例のひとつであるとされ、審美的にも美しく、ユニークな地質学的特徴であり、その輪郭は広いサハラ砂漠の対照的な景観によって際立っていると評価された。

 少し残念なのは、「ゲルブ・リシャット」の名称が添えられていないこと。

 

ゲルブ・リシャットに一番近い村はエル・ベイヤード、一帯は旧石器時代、新石器時代(*3)の遺跡や多くの出土品が発見されている。それらを個人の努力で保存してきた小さな博物館があるが、新たに博物館建設が計画されている。

計画では細長い三日月型の展示室、中央の塔が星の形で、モーリタニアの国旗のイメージだが、私には羽を広げて砂漠から飛びたとうとする鳥のように思えた。

「ゲルブ・リシャット」の「リシャット」とは「鳥の羽」を意味しているのだから。

 

2024年には次(第2)の「地質遺産100選」が発表される。

次回、アフリカで一番大きい一枚岩のベナミラ(Ben Amira)が選ばれたらうれしい。

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(*1)ゲルブ・リシャット(Guelb er Richat):

「Empreinte de chameau:らくだの足あと」No.5、No.6、No.7に掲載

(*2)「チバニアン(Chibanian)」:

千葉県市原市田淵の養老川沿いに露出する約77万年前の地磁気逆転地層.

中期更新世(約77万4千年前〜約12万9千年前)に名付けられた.

(*3)旧石器時代、約60万年まえ、新石器時代、約6500年〜2500年まえ

リシャット構造/ゲルブ・リシャット:

NASA 国際宇宙ステーションから撮影

20 Oct. 2019

北からはMaqteïr大砂丘, 南からはOurane大砂丘が押し寄せている. 目の部分は直径約50km.

左上の, 砂丘のなかに島のように見えるのが上の写真のエデルグ山.

その右寄りの中央は集落, エル・ベイヤード

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