

Empreinte de chameau🐪ラクダの足あと
🌴モーリタニア🌙 砂漠を旅する🌴 No.16 🐪 加藤智津子 砂漠を走る、世界で一番長く、重い列車! ⑤ モーリタニア鉄道はモーリタニアの砂漠の中心部を700kmの旅で横断している。 ズエラットの鉱山とヌアディブ港とを結び、その主な任務は鉄鉱石を輸送することにある。 けれど、この地域はほとんど水がなく、住民は過酷な状況下にあった。 そこで、鉄道を利用し、大型タンクに飲料水を入れ輸送することで、生活の大きな希望となった。 Photo :モーリタニア アドラール州 雨の砂漠を走るモーリタニア鉄道の水タンク車 週1度、モーリタニア鉄道は牽引車に水タンク車とフラットカーを数台連結して運行している。 水のない沿線地域へ水を届け、フラットカーには商店主が乗り込んで日用雑貨を販売するのが役目。 列車は駅のあるシュームとティメミシャット以外の小さな村や集落のある 駅に停車 し (*1) 、 時には一夜を過ごす。 列車が到着すると、人々が集まってきて水タンク車のコックをあけ、大きな容器に移し、ロバ車で運ぶ。 ホースをつないで、その地域の 貯水槽 (


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🌴モーリタニア🌙 砂漠を旅する🌴 No.15 🐪 加藤智津子 砂漠を走る、世界で一番長く、重い列車!④ 砂漠の人たちは、目(視力)がいい。 夕方、砂漠で食事をしているとき、ドライバーがナツメヤシの茂るずっとずっと先を指して「ルミエールが、、」と言う。 誰かががこっちに向かって来ているようだと。 「光?どこ?」、私には何も見えない。 それから、30分後、ふたりの女性がぼんやりと光を灯した懐中電灯を持って現れた。 (何と!闇のなか、お土産を売りに来たノマドの女性でした:笑) 彼らは目だけでなく、耳もいい。 モーリタニア鉄道の沿線を走っていると、これまた突然、ドライバーは「列車が近づいている」と言う。 車を止めて、ドライバーと私は線路近くにかけより、待機する。 ようやく私にも列車の音が聞こえてきた。 まもなく、爆音が響きわたり、長い列車を牽引する水色の先頭車が見え始めた。 ズエラット(Zouérat)からシューム(Choûm )、ヌアディブ(Nouâdhibou )へ向かう列車だ。 https://upload.wikimedia.org/wi


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🌴モーリタニア🌙 砂漠を旅する🌴 No.14 🐪 加藤智津子 砂漠を走る、世界で一番長く、重い列車!- ③ 砂漠を移動中の食事は、夕食以外は簡単に済ませる。 ランチはバケットとショコラ、あれば果物、その間に、ドライバーの煎れてくれるやや渋めの 「モーリタニアミントティー」 を3杯飲む。 モーリタニアのフランスパンは美味しいが、柔らかめの方が翌日も火にかざして食べることができる。 それにクリームスプレッドショコラをたっぷり塗る。 果物はモロッコ、セネガルからの輸入品、マンダリンかバナナで。 冬でも日中は直射日光が強いので、アカシアの木陰を探して、マットレスを敷いて食事をする。 今ではすっかり馴染んだ場所だが、最初、ドライバーに言われた。 「ここはモーリタニアではなく、サハラなんだよ」 モーリタニアでは隣接する西サハラ (サハラ・アラブ民主共和国)を 「サハラ」 と呼ぶ。 Photo :モーリタニア アドラール州 シューム 降った雨は吸収されず一気に流れるため、鉄道線路の下に造られた水路。 アカシアがまばらに生えている。...


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🌴モーリタニア🌙 砂漠を旅する🌴 No.13 砂漠を走る、世界で一番長く、重い列車!- ② 深夜、凄まじい音が聞こえてきた。 鉄鉱石を運搬する鉱石列車の音、、、、、 このまま通過していくものだと思った。 ところが、列車はすぐ裏で停止した。 こともあろうに、反対側からも同じようにして列車が到着した。 風の強かったその日は、不在のノマドの家を借り、なかで食事をし、テントを組み、夜の8時にはシュラフに入って眠っていた。 留守中だから借りては?と検問所の Gendarmerie (憲兵)に勧められたノマドの留守宅で、骨組は使用済みの鉄道レールを利用した壁の厚い建物。 風だけは避けられるが、音は別だった。 3300馬力か、4500馬力か、数台分のディーゼル機関車のエンジン音が容赦なく響きわたる。 確かに、この家の裏に線路はあったが、複線になっていたとは気づかなかった。 シュラフのなかで、じっと我慢。 Photo :モーリタニア アドラール州 風で砂が動く ノマドの家の後方に鉄道の線路 モーリタニア鉄道の鉱石列車は「単線」を走る。 採掘、加工された鉄


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🌴 モーリタニア 🌙 砂漠を旅する🌴 No.12 🐪 加藤智津子 砂漠を走る、世界で一番長く、重い列車!- ① 砂漠では、砂の上にテントを組み、マットレスを敷き、シュラフで眠る。 テントに入る前には流れ星を見つけることにしているが、天候によっては見えないときもある。 代わりに人工衛星を目で追う。 その後、シュラフのなかでメモの整理などするが、いつしかペンを握ったまま眠っている。 なぜか、砂漠では10時間は眠れるから不思議。 深い眠りのなかでも聞こえてくるのは、遠く、砂漠を走る列車の振動音。 世界一長い列車の音、、、、 Photo : ダフレト・ヌアジブ州 砂漠を走る世界一長いモーリタニア鉄道の鉱石列車 ヌアディブ→ズエラットへ向かう モーリタニアの砂漠を走るのは、鉄鉱石を運搬する鉱石列車。 北部「ズエラット」の鉄鉱山と大西洋岸「ヌアディブ」の輸出港を結ぶ、長さ約700キロメートルのモーリタニア国有鉄道。 鉄鉱石は1935年にフランスにより発見されたとされるが、12世紀のアンダルシアの作家が言及しているし、地元の人々からは鉄の山、磁石の


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🌴モーリタニア 🌙 砂漠を旅する🌴 No.11 🐪 加藤智津子 日本の消防車 砂漠の国で雨は決して多くはない。 だから、集中豪雨になればニュースになる。 水不足の方が圧倒的に多い。 そんな水は決して豊かではないモーリタニアで、水が必要な火事だってある。 しかし、消防車はほとんど見ることはない。 Photo :アドラール州 ウアダン フェスティバル会場で待機する日本製の 水槽付ポンプ車 何代か前の在モーリタニア日本大使に、ヌアクショットで火事はありますかと、尋ねたことがある。 都市の家は石造りだから、あまり想像できない。 しかし、漏電が原因の火事が多いらしい。 日本から廃車になった消防車を整備して海外へ贈っているが、 モーリタニアへも救急車とともに数台を寄贈したと聞いた。 消防庁では「消防ポンプ自動車」というそうだ。 それから数年後、ウアダンのフェスティバルで、駐車している日本製の消防車を発見した! フェスティバル好きなモーリタニアでは、全国から多くの人たちが集まってくるため、多分、救急車と同じように、 緊急時の待機用と思われた。...


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🌴モーリタニア 🌙 砂漠を旅する🌴 No.10 🐪 加藤智津子 砂漠の雨 - ② 冬の夕方、白い雲が出てくるが、雲の位置は低い。 その日は、そのまま暮れた。 白い雲は雨の前兆だったのか、雨雲だったのか、翌日の夕方には空高く広がり、雨がパラパラ落ちてきた、、、、。 砂漠の野宿で困るのは雨と強風。 火が使えない! 運転手兼調理人は早々に、夕食の支度を始め、私は薪にするアカシアの枯れ枝を集めに行く。 暖をとるためと、お茶用に。 Photo :アドラール州 エル・ベイヤード 普段、草も生えない砂砂漠に ジルジィール が茂る 砂漠の旅で雨を体験することはそうないが、深夜 、 雨まじりの風がしばし、テントを揺らした。 さすがに翌朝は寒く、焚き火の前で、お茶を飲み、出発。 太陽は雲のなかにぼんやりと輪郭だけが見える。 大粒の雨がランドクルーザーのフロントガラスを濡らし始め、運転手は珍しくワイパーを作動させた。 常に乾燥していた砂漠だけに、高湿度は何とも気分が滅入る。 昼食は、何度か訪れた アイシャ (*1) と呼ばれている巨大な石の中だった。


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🌴モーリタニア 🌙 砂漠を旅する🌴 No.9 🐪 加藤智津子 砂漠の雨 - ① 砂漠は、雨がほとんど降らない。 けれど、時々、思いがけなく大雨が降ることもある。 2020年9月、モーリタニア南部に大雨が降った。 首都、ヌアクショットの街路も市場も、水であふれ、ニュースになった。 Photo : アドラール州 数日前に降った雨で波打つ川となる 普段は礫(レキ)砂漠 10日後には 20羽ほどの大きな鳥が飛来していた 砂漠にコップの水を注ぐと、熱したフライパンの上の水滴のように、一瞬にして吸い込まれ、消える。 それが大量の雨だったら、、、、、 砂漠の「砂」 は、「土」とは違う。 土は砕けた岩石が粗い粉状になったもので、腐食物、微生物等が含まれ、保水力があり、耕作に適する。 一方、「砂」 は主に石英等の岩石が細かく砕けた粒で、保水力はなく、植物は育ちにくい。 日本入国の際、土の付着したものは没収されるが、「砂」は微生物を含んでいないから持ち込みは可能と言われたことがある。 砂漠に雨が降ると、砂の色が濃い色に変わり、気温が下がり、砂の匂いがた


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🌴モーリタニア 🌙 砂漠を旅する🌴 No.8 🐪 加藤智津子 砂漠の愛すべき生きもの:サハラのスナネコ ネコを飼うノマド(遊牧民)は多い。 そのネコたちは犬のように家畜を守るという使命はなく、ハイマ(テント)のなかで愛嬌を振りまいていることが多い。陰ではトカゲやサソリと格闘しているかもしれないが、、、。 しかし、砂漠には「もともと棲んでいたネコ」がいる。 Photo: アドラール州 シャール ノマドの飼いネコ、 足が3本だった 「最近、砂漠のネコがご飯を食べにくるのよ、うちのネコたちと一緒に食べているの」 いつも泊まるアドラール州の宿の女主人が言う。 そして、その日、、、、日没後の、まだ薄明るいなか、テラスで夕食をとっていたときだった。 三角の大きな耳に大きめの顔、ずんぐりとした四肢、あきらかにイエネコとは異なるネコが、長い尻尾を水平に伸ばして目の前を通り過ぎ、敷地から出て行った。 モーリタニアの短毛の飼いネコに比べたらふっくらと見える。 砂漠のネコ、スナネコだった。 一瞬のできごとで、カメラを手元に置いておかなかったことが悔やまれ


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🌴モーリタニア 🌙 砂漠を旅する🌴 No.7 🐪 加藤智津子 「サハラの目」:ゲルブ・リシャット(Guelb er Richat)- ③ モーリタニアではアラビア語の「ハッサニーヤ」という方言が話される。 ハッサニーヤで、「ゲルブ」は心臓や中心を、「リシャット」は鳥の羽を意味する (エルは冠詞)。 「ゲルブ」とはインセルベルグ Inselberg (ドイツ語、仏語)=残丘と訳され、周囲よりも硬かったために、断層運動や侵食にも取り残された丘や山のことをいう。 砂漠のなかに孤立するそのような残丘は多く、ハッサニーヤでは「ゲルブ-○○○」と呼ばれている。 Photo : アドラール州 ゲルブ・リシャット「サハラの目」の中心地点から いつものように、アタールから4WD車で出発し、 Belle Etoile (野宿)は2泊。 その後、エル・ベイヤードに向かう。 友人にプレゼントの懐中電灯を渡し、石の動く坂道をガラガラと上り、また石の転がるプラトーを走り続ける。 ようやく、ゲルブ・リシャットを見下ろす崖淵までたどり着く。中心部から25キロ
