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Empreinte de chameau🐪ラクダの足あと

  • 7 日前
  • 読了時間: 4分

更新日:3 日前

🌴モーリタニア🌙砂漠を旅する🌴 No.36  🐪 加藤智津子

サハラの木:ゲルブ・リシャット & テオドール・モノ

       Guelb er Richat & Théodore André Monod  


アドラル州のウアダンに「サハラの目」と呼ばれるゲルブ・エル・リシャットがある。

1965年、ジェミニ4号から撮影された映像から、「サハラ砂漠から宇宙を見つめる目」として知られるようになった。この「目」は直径50キロメートルの同心円状の地形で、隕石の衝突説もあった。

しかし、1934年、この地層を正確に描写し、起源について疑問を呈したのはテオドール・モノ氏だった。その後何度も訪れ、1973年、今日受け入れられているものに非常に近い仮説を発表した。

約1億年前の白亜紀、大量の熱水を伴うマグマの上昇を引き起こした非常にまれな火山活動は、巨大ドームを形成したものの、マグマは地表を突き破らなかった。その後、ドームは長い間かけて崩壊し、今のような地形が生まれた。

 Photo:「ARBRE de Madame MONOD」 右から2本目が「マダム・モノの木」


ゲルブ・リシャットの中央へ行くのは5度目だった。唯一のオーベルジュ(*1)が再開しているとの朗報があった。

ドライバーが言う、「マダム・モノの木にも寄ってみようか」。

 

テオドール・モノ氏は博物学者、地質学者だが、モーリタニアでは砂漠の学者として知られ、とても尊敬されていて、切手にもなっている。

1902年、フランスのプロテスタントの牧師の家系に生まれたモノ氏は、ソルボンヌ大学で自然科学を学び、理学博士号を取得、古典アラビア語の学位も取得している。

 

20歳のとき、モーリタニアで砂漠と出会って以来、96歳になるまで石や植物を採集し続けた。その研究は地質学、動物学、植物学、地理学、先史学、考古学、歴史学など、幅広い分野に及び、論文、著作本等、多くの業績を残している(*2)。フランスの国立自然史博物館の教授も務めた。

途中井戸がひとつもない砂漠の900キロを横断した冒険家でもあり、徒歩での砂漠横断は多々ある。

また、モノ氏は人文主義者、哲学者、平和主義者でもあった。

人権、自然、動物、そしてあらゆる生物の熱烈な擁護者としても知られる。社会からはじき出された弱者のためにも闘い続けた。

1982年から毎年、8月6日から9日(広島と長崎への原爆投下の日)の間、フランス核抑止力本部が置かれているタヴェルニー軍事基地前で断食に参加し、90代になっても核兵器反対の抗議を続けた。

 

反核運動、反軍国主義運動、非暴力運動、人権運動、動物の権利運動(菜食主義者であり、闘牛、狩猟、動物実験などに反対し、生命の保護を訴えた)に参加した。

モノ氏の信条は、あらゆる形態の生命への敬意であった。

 

2000年11月に98歳で亡くなるが、少し前まで、ホームレス支援デモにも杖をつきながら参加している。

日本で発行されているフランスの情報誌「OVNI」は、モノ氏の訃報をとりあげた日刊紙 Libération の記事を紹介した。

ー ホームレス、滞在許可証のない外国人、木、川、砂漠、石は一番大切な友を失った ー

 

ゲルブ・リシャットにはほとんど植物は生えていないが、東側にはアカシアの小さな林がある。

この特別な場所を最初に探検した人の妻を偲んで、これらの木のうちの1本が、「マダム・モノの木」と名付けられた。現在、新たに黒の銘板が設置されている。


モノ氏をよく知るドライバーが言う。

「モノ氏は、いつもここから徒歩で調査に出かけたんだよ。車はおろか、ラクダにも乗らずにね」

ゲルブ・リシャトは、モノ氏の長い研究人生で最も頻繁に訪れた場所であった(*3)

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(*1)オーベルジュ」といっても、就寝用のハイマ(テント)の設営と食事だけ.  唯一の石造りの建物で食事をし、持参のシュラフで ハイマで眠る. 風が強いので、ありがたい.

(*2)  1916年から2000年にかけて、総説、論文、回想録など1,881冊の著作を出版し、そのうち約700冊は自然科学に関するもの. また、20,671点の標本を収集した. モノ氏にちなんで命名された植物、動物も多い.

(*3)  1934年から1998年にかけて、19回の調査をゲルブ・リシャットの研究に費やした.  

 
 
 

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